Vol.01
約10年ぶりの断捨離で、手放せずにいた次女が歩き始めた頃の靴が出てきました。
Chaussons(ショソン)と呼ばれる革のバブーシュは室内履きとして使っていたもの。次女がフランスの保育園に通うようになった頃、同じ月齢の子がしっかりとしたレザーのレースアップシューズを園内で履いている事に驚いたのを覚えています。フランスの赤ちゃんは、まだ歩き始める前からくるぶしまできちんと覆われた紐の靴を履いているのをよく目にします。履かせるのも脱がせるのもとても大変そうですが、足にも健康のためにもそのほうが良いとされているそう。ちなみに長女が通っていた東京の保育園は、裸足は子どもの健やかな成長にとても大切、裸足でどろんこ遊びをしましょう!という方針でした。どちらにもいいところがあるように思えます。
ファッションの視点から見ると、フランスの女の子は小さな頃から大人と同じように季節ごとに靴がガラリと変わります。春はバレリーナやメリージェーン、暖かく日差しが強くなれば 細いストラップのサンダルに。秋になるとレザーやスエードのショートブーツが主流。コンバースに代表されるようなスニーカーやコットンのスリップオンももちろん履きますが、おもしろいのは日常使いのスニーカーと運動用の靴にきっちりと線引きがあるところ。運動靴はテニスと呼ばれて、学校の体育の授業などにはこちらを指定されます。
子どもたちの日常の中にも靴選びのTPOが存在しているところは、やはりフランスらしい靴との長い歴史ゆえでしょうか。
Text: Seiko itoh