Vol.06
10月末から、フランス全土で2度目の「CONFINEMENT(コンフィヌモン)」外出制限措置が取られています。3月から5月にかけて行われた1度目のコンフィヌモンと大きく違うのは、保育園から高校まで、学校が開かれていること。学業格差や、子供への精神的な影響を生まないように、そして経済活動をなるべく妨げない形で、感染を食い止めたいという国の方針です。
前回の2ヶ月半のロックダウン中、外に出られない子どもたちも、自宅で仕事をしながら子供を見る親たちのどちらも、確かに大変でした。
我が家では長女が通う中学校が、もともと学校から配られるiPadを教材に使用する学校だったため、オンラインへの移行自体はとてもスムーズでした。ロックダウン初日から、通常の授業と全く同じスケジュールで、パソコン前にヘッドフォンをつけて登校。画面の向こうの先生やクラスメイトと音声やメッセージ機能をいくつも同時に使ってやりとりする様子はまるでSF映画のようでした。
次女の小学校は、すべての教材が先生からメールで届きました。スケジュール表と各教科の教材をプリントアウトし、送られてきた解答用紙を見ながら答え合わせ、もしくはスキャンをして先生に送信。これに学校外の習いごとのオンライン授業や、宿題の管理で毎日かなりの時間を取られていました。
もっと小さなお子さんのいる家庭では、また違った苦労があったと思います。
今回は、外出の際に必要な許可証もスマートフォンで簡単にダウンロードできるようになりました。これは許可を申請する側もチェックする警察官も、ずいぶん作業が楽になったのではないかと思います。
外出を許される理由は、自宅と職場の往復、スーパーやマルシェ、薬局などの生活必需品の買い出し、通院、子供や介助の必要な家族の送り迎え、自宅から1km以内で1日1時間の運動などが対象です。(つい先日、大統領の発表があり、明後日28日の土曜日から1日3時間まで外出できるようになりました。)
営業を許可されているお店も増え、街にも昼間は普段とあまり変わらず人が出ている印象があります。本屋さんや、お花屋さんでは事前に注文したものを店内には入らずに店先で受け取る形にしたり、ショッピングの仕方にも工夫がみられるようになりました。この週末からは飲食店以外のお店も営業が再開する見込みです。家族や友人たちのクリスマスプレゼントを選ぶ12月は、1年で最もフランス人がお買物をする時期でもあります。
お客さまを店内に入れて営業することを禁止されているレストラン業界の中には、電話やインターネットで注文を受け、引取りや配達などを行うお店も増えています。我が家も先日、近所の知り合いのレストランからディナーメニューをテイクアウトして楽しみました。3月のロックダウン中は買い出しの回数も制限されていたため、献立を事前に考えて時間をかけた料理に挑戦したりもしました。日常のリズムはあまり変わらない今のロックダウン生活は、前回より自由ではありますが、カフェやアペロで友人たちとおしゃべりしたり、美術館や劇場に行ったりという日常の楽しみには欠ける生活です。そんな中、おうちでいただくシェフの味は最高に贅沢な気持ちになりました。
学校生活ではこれまで11歳以上からだった、マスクの着用義務が6歳以上に変更になりました。娘の学校では午前中は使い捨てマスクを着用、お昼を食べるときに外して廃棄。清潔な袋に入れて持参した、もう1枚の布マスクをつけて午後の授業というルールになっています。
窮屈さはあっても、秋のバカンス開け、新学期が始まらないままロックダウンするのでは?という噂も流れていたので、子どもたちは、先生やお友だちに実際に会える生活をとてもよろこんでいます。
子供たちの日常や、家族で過ごすクリスマスのために、あと少し、がまんの秋になりそうです。
Text:Seiko itoh