FILOSOPHIE

Vol.07

FILOSOPHIE Vol.07「パリ、サパンの行方」

パリ、サパンの行方

商店の再開とともにノエル(クリスマス)のデコレーションに彩られ、パリの街にも少し活気が戻っています。
12月15日からは昼間の外出禁止がなくなり、「COUVRE FEU(消灯)」と呼ばれる、20時から翌朝6時までの夜間外出禁止令に変更になりました。大人6人までは同じテーブルを囲むことが許され、24日の夜だけは例外的に夜間の移動が許可されます。当初、大晦日も夜間外出緩和の対象になるのでは?と言われていましたが、こちらは禁止されたまま。フランス人にとって新年は意外にあっさりしたもので、家族で集うノエルは、より特別な日です。

パリ、サパンの行方
パリ、サパンの行方

そして11月の終わり頃になると街のあちこちに、モミの木が並び始めます。
Sapin de Noël サパン ド ノエル(クリスマスツリー)は30cmほどの小さなものから、2mを超える大きなものまであって、この時期にはサパンを抱えて(もしくは引きずって)お家に帰る人を街中で見かけます。木の種類によって細長かったり、少しずんぐりしていたり、針のようにチクチクするものや、葉が落ちやすいものなど様々。ツリーは枝をまとめてくれるネットのようなものに入って売られていることも多いのですが、それでも運ぶのはひと苦労です。
けれど、モミの香りが家の中に広がるのはなんとも言えないこの季節の楽しみのひとつです。

パリ、サパンの行方

さて、お役目が終わった後の生木のサパンをどうするのかというと、ノエル翌日から1月末まで、パリ市内だけで100カ所以上のツリーの集荷場所が設けられます。デコレーションをすべて外した状態で、公園などの指定された柵の中に入れておくだけ。我が家も新年に近所の公園に置きに行くのが恒例になっています。
集められた木は粉砕されて、公園や街の街路樹に撒いて再利用されます。集荷場所でそのまま砕くことで、無駄な輸送による環境汚染がないように配慮しているとか。モミの木は酸性で堆肥には向かないようですが、雑草の増殖を防ぐのにはとても適しているそうです。
パリで回収されたツリーは2008年で15,000本、2019年は97,356本、2020年の頭には115,250本にまで増加。「サパンのリサイクル」に賛同するパリジャンは年々増えているようです。

パリ、サパンの行方
パリ、サパンの行方

2020年は当たり前に思っていた日常を見つめ直す機会がたくさんありました。
新しい年が皆さまにとって穏やかで温かいものでありますように!
Très belles fêtes à tous!!!

Text:Seiko itoh


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