「今日何つくろう?」毎日やってくる食事づくりの時間。栄養には気を配りたいし、もりもり食べてもらいたい、何ならつくる側はちょっとラクしたい…。がんばりすぎない献立づくりのコツとは?
日本で料理は、「主食」「主菜」「副菜」「汁物」に分類され、子どもの食事に限らず献立は「一汁二菜」(主食+汁物+主菜・副菜のおかず2品)が基本と言われています。
一汁二菜のメリットは何より栄養バランスがととのうこと。どんぶりやパスタなどの単品料理と違い、ひと皿ごとに味付けや調理法を変えて楽しめるので食体験が広がります。ですが、ごはんと汁物とおかず2品を育児の傍らでつくるのは至難の技…。一汁二菜はあくまでも理想のカタチ…。そこでわが家では、調理と心の負担を少しでも軽くするために「一汁一菜」をベースにしています。ごはんと味噌汁に、主菜となる肉か魚のおかずを一品! 張り切ってハンバーグをつくる日もあれば、魚を焼くだけ!なんて日もあります。副菜を準備しない代わりに味噌汁に野菜や海藻、きのこ類をたっぷり入れて補っています。汁物の具となる小松菜やほうれん草、レタス、キャベツなどの野菜は1センチ角に刻んでおけば、子ども用に別で細かく切る手間も省けます。乾燥わかめやひじきは小さく砕き、豆腐は包丁を使わずスプーンやお玉で崩せばOK。
主菜をつくる時間がないときや大変なとき、「あ〜今日は何もつくりたくないな」というときは、スーパーの惣菜や飲食店のテイクアウト、冷凍食品やレトルト食品、デリバリーサービスなどを積極的に活用して、とにかくがんばりすぎないことが大切です。
献立づくりのポイントは、まずごはんやパン、麺などの主食を決めること。それから主菜に使う食材(肉、魚、卵など)と、和風・洋風・中華風などの調理様式、焼く・煮る・炒める・揚げるなどの調理方法を決めます。副菜や汁物には主菜で足りない野菜や海藻、いも類を使いましょう。副菜は旬の野菜のおひたしやナムル、きんぴら、ひじきの煮物やわかめの酢の物、ポテトサラダやラタトゥイユなど、時間があるときにつくりおきしておくのがこれまた理想形ではありますが、調理いらずの冷やしトマトや野菜スティック、市販の惣菜を活用するのもおすすめです。市販品は味付けが濃いので、湯通しして塩分を洗い流す、付属の調味料やソースの量を減らす、野菜や豆腐、ごはんと混ぜるなど味を薄くして食べさせましょう。旬の食材は栄養価が高く、食卓に季節感も出るので積極的に選んでみてください。
主食は、米食を基本にしましょう。特に幼児期はパンやうどんを好みますし、いまのように暑い時期はそうめんの出番も多くなります(わが子も大好きでよくリクエストされます)。ただVol.01でお伝えしたように、パンや麺類などの粉ものを好んで食べる「粉食(こしょく)」は、なるべく避けたいところ。その理由は、パンやうどん、パスタは柔らかいものが多く、かむ力が養われにくいことや、パンには油脂分や砂糖が含まれ、米と比べると同じ量を食べてもカロリーや脂肪分が高くなってしまうことがあげられます。夏休み中の昼ごはんは麺一択! 1日3食ともパンしか食べなかった…そんな日があってももちろんよいですが、米の割合を多くしながら、パンや麺類を織り交ぜて1週間単位でバランスをとってみてくださいね。
「主食」と「汁物」に「主菜」「副菜」のおかず2品を揃えた献立。さまざまな食材から栄養をとることができ栄養バランスがととのうため、幼児食の基本とするのが理想。