1〜2歳ごろから大人と同じようなものを食べられるようになっても、味付け、素材の切り方や大きさ、かたさの調整にひと手間必要なのが幼児食。そこで役立つのが取り分けメニュー。調理の流れで手間を減らすテクニックとは?
子どもは大人と比べて味に敏感であり、特に幼児期は味覚が発達する大切な時期。味覚は3歳ごろに決まり10歳ごろまでの味の記憶の積み重ねがその後の基礎になると言われています(早いですね…!)なので、子どもの食事をつくるときは食材そのものの味を体験するために薄味を基本にしましょう。大人が味見して「薄いな〜」と思うくらいでOK。目安としては3歳ごろまでは大人の1/3程度、5歳ごろまでは大人の1/2程度です。
単純に塩分を減らすだけでは味気なく感じることもあるので「だし」で風味を補いましょう。昆布や鰹節、煮干し、干し椎茸などでうま味をきかせると、調味料を控えめにしてもおいしく食べることができます。「ん?だしをとる?」それだけで面倒だな…と感じると思いますが、だしパックや顆粒だしを使えばお手軽です。ただ昆布にかつお節を加えてとった一番だしは、香り高さもうま味の強さも格別なので、時間と心に余裕があるときに一度つくってみてほしいです…!また、子どもが慣れていない酢の酸味は、だしをきかせたポン酢や甘味のあるマリネ酢から料理に取り入れていくとうま味を感じられて食べやすくなります。ニンニクや生姜で風味づけするのもおすすめです。
離乳食は子どもの分を別につくることが多かったかもしれませんが、幼児食は大人と同じように調理をすすめ、そこから取り分けて子ども向けにアレンジすれば調理の手間も省けて楽チン! 食材や料理の特長に合わせた調理テクニックを紹介します。
カレーや肉じゃがをつくるときの野菜は大人向けサイズに切っておき、調理後に子どもが食べやすい大きさにしましょう。
焼肉、唐揚げ、エビフライなどの焼き物、揚げ物は調理してから子どもの分を小さくカット。小さく切って加熱すると火が通り過ぎて固くなるので要注意!
調味料やソース、スパイスに子どもは興味津々!かけたがるときは食卓に置かないようにするなどの工夫を。
1〜2歳は3倍、3歳以降は2倍の薄さが目安。ちなみにわが家では味噌汁を温かいままお椀に入れ、水を足して薄めます。薄くなる上に冷ませるので一石二鳥!
料理を薄味に仕上げるのはもちろんですが、乳歯の生え具合に合わせて、食材の形状や大きさ、かたさを調整して食感に変化をつけ、かむ力も育てましょう。細かくし過ぎ、やわらかくし過ぎも禁物です。次回はかむことの大切さ、かむ力の育て方についてお伝えしようと思っています。
甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つ(五味)が基本味。2歳ごろまでは甘味、塩味、うま味を、3歳以降は受け入れられる味覚の幅が広がるので酸味、苦味も取り入れる。