kids-foodictionary

[ vol. 5 ] Oct 19.2023

子どもの“好き嫌い”の真実

“好き嫌い”これは子どもを育てる親にとって、永遠のテーマではないでしょうか?「これキライ!」とよけたり、口に入れてもべ〜っと出したり…それでも何とか食べさせたいのが親ゴコロ。好き嫌いと上手に付き合うには?

子どもの“好き嫌い”の真実

キライ=「慣れていない」「食べにくい」のサイン

ピーマンやトマトを筆頭に苦味、酸味の強い野菜やかみ切りにくい葉野菜、パサパサした食感の肉や魚は子どもから嫌われがち…。離乳食期は何でももりもり食べていた子も、1歳後半になると初めて食べるものや食べ慣れていないものは警戒し、口にしないことがあります。でもこれはまだ「好き嫌い」ではありません。この時期の「好き」は気に入っている・食べ慣れている、「嫌い」は慣れていない・食べにくい・飽きてしまったという理由がほとんど。本格的な好き嫌いは2〜3歳ごろからはじまります。なので、一度食べなかったとしても、カタチや味付けを変えて繰り返し食卓に出したり、大人がおいしそうに食べて見せることが大切です。

「食べにくい」→「食べやすい」に変える
調理の工夫

『あんでからめる、卵と混ぜる』

ひき肉や葉野菜など口の中でバラバラになって食べにくい食材は、あんでからめたり、卵と混ぜてまとめます。

『マヨネーズでしっとりさせる』

カジキマグロや鮭、サバなど加熱するとパサつきがちな魚は薄くマヨネーズを塗るとしっとり焼きあがります。

『薄切り肉はくるっと巻く』

ペラペラした薄切り肉はゆでたにんじん、さやいんげんを芯に巻きつけてスティック状にすると、食べやすさアップ。

嫌いな野菜を食べてもらう必殺技

子どもの嫌いな野菜の上位にランクインしている、ピーマンやブロッコリー、小松菜などなど、ご多分にもれずわが家の3歳児も「食べない!」「キラーイ!」といって食べませんがどうにか食べてもらおうと、母は日々試行錯誤中。
「必殺技」と言っておきながら、すべての子どもに向くわけではありませんが、私が実践している“嫌いな野菜を食べる技”を紹介しておきます。手法のひとつとして参考にしてみてください。

その1.子どもの好きな料理に混ぜる

子どもの“好き嫌い”の真実

カレーやハッシュドビーフ、ミートソース、ハンバーグに、細かく刻んだピーマン、ブロッコリー、なす、にんじんなど単体では食べない野菜をたっぷり入れています。毎日食べる味噌汁には小松菜やレタスをふんだんに。子どもは気付いていますが、好きな味付けだからとすすんで食べます。

その2.一緒に料理やお菓子をつくる

子どもの“好き嫌い”の真実

たとえばピザをつくるとき、トッピングに子どもの大好きなウインナーやチーズに加えてピーマンやパプリカを準備し、のせるお手伝いをしてもらっています。すると…あら不思議! 嫌いな野菜にも自然と手がのび「ピーマンたべられるんだよ!」とドヤ顔。一緒にホットケーキをつくるときに、すりおろしたにんじんやかぼちゃフレークを加えるのもおすすめです。

その3.野菜を育ててみる

子どもの“好き嫌い”の真実

好きな野菜も苦手な野菜もベランダや庭で育ててみましょう。この夏わが家では子どもの大好きなミニトマトを、保育園ではオクラ、なす、ピーマン、さつまいも、とうもろこしなどを育てていました。毎日水をあげて、花が咲いて、実がなり大きくなったら収穫する。食べること以外にも家庭菜園にはたくさんの学びがあります。わが子は「とうもろこし」が大の苦手なのですが、園で収穫したとうもろこしは3粒だけ食べたそうです(笑)

その4.食べられたら一緒によろこぶ

子どもの“好き嫌い”の真実

子どもにとって、パパやママのうれしそうな顔を見るのは何よりのよろこび。私の子どもも苦手な野菜を口にすると「食べられたよ〜!ママよろこぶ〜!」とニコニコ。それが自信につながっているように思います。苦手なものを食べたら「食べられたね!」「カッコいい〜!」と一緒によろこびましょう。実はこれが嫌いを好きに変える一番の必殺技かもしれません。

好き嫌いも子どもそれぞれ、食べるようになるきっかけもさまざまです。嫌いな食べものがある大人もたくさんいるので、好き嫌いはあって当たり前。(えらそうなことを言っている私は中学生くらいまでブロッコリーが苦手でした…)
大切なのは子どもが自分からすすんで食べること。苦手な食材も調理法や味付けを変えると案外食べたりするものです。決して無理に食べさせず、第1段階として好きな料理に混ぜたり工夫してみてくださいね。


さて、今回はもうすぐやってくる“ハロウィン”にちなんでかぼちゃクッキーのレシピを紹介します。うちの3歳児は「かぼちゃ」も苦手で煮物もサラダもまったく食べないのですが、かぼちゃクッキーは好んで食べています。袋ひとつで混ぜるだけなので簡単!ハロウィンパーティーのプチギフトにもおすすめです。

recipe

材料を袋に入れて混ぜるだけ!
ホクホクかぼちゃのクッキー

牛乳も卵もバターも使わない、シンプルなかぼちゃのクッキー。かぼちゃの甘さとアーモンドのコクを活かし、気になる砂糖も控えめにしています。

【材料】直径3センチ約30個分
薄力粉・・・100g
アーモンドパウダー・・・40g
かぼちゃ・・・60g
きび砂糖・・・40g
サラダ油・・・50g


【つくりかた】
1.かぼちゃは皮を取り除き、電子レンジ(600w)で5~7分加熱し、潰しておく。オーブンは180℃の予熱を入れる。
2. 調理用ビニール袋に粉類を入れ、全体的に混ぜる。
3. 2にかぼちゃとサラダ油を加え全体が均一になるように混ぜる。
4. 生地を10〜15分程度冷蔵庫で休ませてから、ビー玉大程度手に取り丸めて真ん中を凹ませる。クッキングシートを敷いた天板に並べ、180℃のオーブンで15~20分焼く。

しっとりホクホクの食感で、1歳ごろから食べられます。牛乳を添えればバランスのよいおやつが完成♪小さな子どもはついつい口にたくさん入れてしまうので、食べすすみ具合をしっかり見守ってあげてくださいね。

kids-foodictionary #06すき-きらい【好き嫌い】

特定の食材や料理を嫌うことだが、食感や調理法、味付けなどを変えることで克服できる場合がある。1歳後半ごろにおいては「嫌い」は食べ慣れていない、飽きてしまった、食べにくいという理由が多く、繰り返し食卓に並べたり、食べやすいように調理を工夫することが大切である。

Profile

すだもえ
ライター、上級幼児食インストラクター。Webマガジンの執筆、食育ツールの企画編集をはじめ、料理・パン教室講師、フードコーディネーター経験をいかし食の分野を中心に活動。2児の母。日々子どもの食事づくりに奮闘中。
Instagram: @kids_foodictionay

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