クリスマスが終わり、今年も残りあと少し。ぼちぼちとお正月を迎える準備を始めているころではないでしょうか?新年に味わう料理といえば「おせち」。日本文化を知るきっかけになる行事食を子どもと楽しんでみましょう!
黒豆や数の子、煮物、黒豆、栗きんとんなどのおせち料理。家族みんなで食卓を囲み、料理を味わいながらお正月を祝いたいところですが、子どもは普段見慣れない料理を警戒し、食べ慣れない味付けだからと口にしないもの…。また濃い味付けや甘みが強いものが多いので、食べさせるのをためらってしまうかもしれません。そんな理由から「お正月におせちは食べません」という家庭もあると思いますが、おせちは日本の食文化のひとつ。できれば、子どもたちにその意味や由来を伝えていきたいものです。
もちろん、おせちを無理に食べさせる必要はありません。まずは「お正月をお祝いする食事だよ」とその意味を伝えるところからはじめてみましょう。おせち料理はたくさん種類があるので、子どもが食べられそうなものを見つけてみるのもひとつ。伊達巻、かまぼこ、栗きんとんなどは子どもにも親しみやすそうです。煮物のにんじんを飾り切りにしたり、花形のお麩を添えてみたり、ちょっとした工夫で興味を持つかもしれません。おせちに関する絵本を読み聞かせるのもおすすめ。わが家ではお正月に向けて絵本で予習中です。
「かまぼこは初日の出をあらわしているんだよ」「栗きんとんを食べたらお金がいっぱいたまるかもしれないよ」など食べなくてもひとつひとつの料理が持つ意味や由来を話してみましょう。諸説ありますが、いくつか紹介しておきます。
“まめ”は健康、丈夫という意味を持つ。“まめに暮らす”という語呂合わせも。
ニシンの卵。ニシンにたくさんの子が生まれることから子孫繁栄を願う。
初日の出を意味する。紅は“魔除け”、白は“清浄”。
栗とさつまいものきれいな黄金色により金運を願う。
“喜ぶ”やよろこぶ=“養老昆布”として不老長寿を願う。
巻物に似ていることから知恵が増えることを願う。
長いひげ、腰が曲がった姿から長寿を願う。
お正月に限らず、節分や七夕など1年を通してさまざまな行事があります。行事食は季節ごとの行事やお祝いごとに食べる特別な料理のこと。
ふだんとは違う非日常的な体験ができ、“ハレ”の気分を味わうと同時に“ケ”=日常を大切にすることにもつながります。日本や世界の文化や行事の由来について知り、1年の季節の流れを知ることもできるので、ぜひ子どもと行事食を楽しんでみてくださいね。
私の来年の目標は、行事食の意味を子どもたちに伝え、さまざまな料理を味わい楽しむことです。(ここに宣言しておきます!)
1月|お正月:おせち料理、お雑煮
2月|節分:恵方巻、節分豆
3月|桃の節句:ちらし寿司、はまぐりのお吸い物
5月|端午の節句:柏餅、ちまき
7月|半夏生:たこ
七夕:そうめん
土用の丑:うなぎ
9月|重陽の節句:菊
十五夜:月見団子
12月|大晦日:年越しそば
最後に、わが家で昆布巻きの代わりとして毎年お正月につくっている「豚肉の紅白巻き」のレシピを紹介します。子ども向けに薄味にできるのも自分でつくるメリット。肉で野菜をくるくる巻く作業は2歳半くらいからお手伝いできるので、ぜひ親子でおせちづくりを楽しんでみてください。
やわらかく煮たにんじんと大根を薄切り肉で巻いた彩りも華やかなひと品。出汁の旨味をきかせてほんのり甘辛に仕上げた子どもにも食べやすい味わいです。
【材料】つくりやすい分量(約10本)
にんじん・・・1本
大根・・・7cm程度
豚の薄切り肉・・・20枚
サラダ油・・・適量
・合わせ調味料
出汁・・・300cc
醤油・・・大さじ1
砂糖・・・小さじ2
みりん・・・小さじ2
生姜すりおろし・・・小さじ1/2
【つくりかた】
1. 下準備をする
大根とにんじんは皮をむき、長さ7cmに切り、縦半分に切る。鍋にたっぷりの水と大根とにんじんを入れて火にかけ、やわらかくなるまで煮る。
合わせ調味料をすべてカップに入れ混ぜておく。
2.大根とにんじんが冷めたら1cm幅の拍子木切りにし、それぞれ2本ずつを市松模様になるように組み合わせる。
3. 薄切り肉を2枚重ねて広げ、2を巻く。
4. フライパンに油をしいて熱し、3の巻終わり部分を下にして中火で焼く。途中転がしながら全体的に焼き色がついたら合わせ調味料を加え3〜5分肉に火が通るまで煮る。
5. 端を切り落とし、真ん中から半分に切り盛り付ける。
漬け汁ごと容器に入れて冷蔵庫で2〜3日保存できます。大根の代わりにごぼう、豚肉の代わりに牛肉を使うなどお好みでアレンジしても◎。
季節の行事やお祭り、人生の節目のお祝いごとに食べる特別な料理。旬の食材を取り入れたものが多く、季節感を味わうことができる。
次回は1月25日(木)公開予定です。