子どもとキッチンに立つと、大人はついつい手助けや口を出してしまいがちですが、子どもは自分で自分を成長させる力を秘めています。前回に続くお手伝いのポイントの2回目は実践編!年齢別にできる作業とキッチンでの声のかけ方とは?
「さぁ、一緒に料理をつくろう〜♪」と思っても、うちの子には何ができるのか?何からはじめるのがいいのか?悩ましいものです。脳や手指の発達によって、それぞれの年齢でできることが変わるので、子どもの発達状況や興味の示し方など普段の様子を観察してできそうな作業からはじめてみましょう!
指先を上手に動かすことができるようになり、大人が切った食材を鍋やボウルに入れたり、ミニトマトのヘタをつまみ取ったり、レタスを小さくちぎることもできます。
カップに入れた水をほかの器に注げるようになります。棒をにぎってたたく動作ができるので、きゅうりや茹でたじゃがいもなどを袋に入れてたたき、潰したり細かくすることができます。歩行が安定すれば配膳や食べ終わった食器を運ぶなどの後片付けもできます。
指先が器用になり、作業の幅が広がります。きのこを手でほぐす、玉ねぎの皮をむく、お玉でスープをすくう、すり鉢でごまをする、トングで食べ物をはさむ、卵を溶くことができます。卵の割り入れに挑戦するのもおすすめ。指先や手首、握力をたくさん使いながら調理への興味を育みましょう。
食材を切ることができるようになります。本物の包丁を持たせる前に、ステーキナイフなどで刃物の扱い方や切り方を教えておきましょう。バナナやふかしいも、蒸しパン、豆腐などやわらかく切りやすい素材で練習を。
理解力や正しい判断力が身につき、包丁で切ったり、火を使うことができるようになります。また数へ興味を持ちはじめるころなので「じゃがいもは3個、にんじんは2本…」など数を取り入れながらつくってみましょう。
身体を自在に使えるので、食材の下ごしらえ、包丁で切り、火にかけて調理する、配膳をするという一連の作業ができるようになります。かたい食材を切るときや重い鍋を持つときなどはサポートを。
子どもに調理作業をさせると、突拍子もないことをしはじめたり、ムダなことが多く、思わず口を出したり手を貸してしまうことはありませんか?汚れるし、危ないし、時間もかかるからやめておこうかな…と、そもそも一緒にキッチンに立つことを諦めてしまうことがあるかもしれません。
子どもと料理をする上で一番大切なのは、子どもの成長を信じて「見守る」ことです。子どもは「自分で自分を成長させたい」と願い、周りから多くのことを吸収し自らを成長させる力を持っています。なので、余計な口出し手出しは無用!やり方がまちがっているときに「ちがうでしょ!」と強く言ったり、作業を取り上げてしまうのではなく、子どもの意思を尊重して「お手伝いしてもいい?」と声をかけましょう。大人の方が子どもの調理のお手伝いをしているという気持ちでキッチンに立ってみてください。子どもは大人のマネをする天才なので、やってほしい作業を横並びでゆっくりと見せるのも効果的です。(※対面で見せると左右逆になり混乱するので注意!)とことん汚してOK!危なくなければちがっていてもOK!「大きな心で見守り、小さく援助する」これに尽きます。そして大人も子どもも笑顔で楽しんで料理してくださいね!
次回はお手伝いのポイント最終回。子どもの興味を惹くアイディアや調理を楽しむヒントをご紹介しようと思います。
洗う、たたく、潰す、こねる、丸める、混ぜるなどの料理の下ごしらえや包丁で切る、火を扱うなどの調理に関わる行為。野菜や生魚などさまざまな感触の素材に触れさせたり、包丁で切る音、食材を炒める音を聴かせたり、五感を刺激しながらおこなう。子どもが作業をしやすいように台所環境をととのえることも大切。
次回は5月30日(木)公開予定です。