日本各地ともに梅雨に入り、じめじめムシムシ…今年も夏間近。そろそろ気になりはじめるのが、食中毒や感染症による子どもの体調不良ではないでしょうか?今回は食品の衛生管理や体調不良時に覚えておきたいケア方法について紹介します。
気温の上昇とともに気になる食品の傷み、そして食中毒。大人とくらべて抵抗力が弱い幼児は食中毒になりやすく重症化のリスクが高いと言われています。食中毒の原因の多くは「細菌」と「ウイルス」。特に6月〜9月にかけては湿気を好み、35℃前後で活発に増殖する「細菌」による食中毒に要注意。この夏は昨年以上の酷暑との予報も…。正しい知識をもってまずは家庭内で「防ぐ」ことを心がけましょう。
食中毒の原因として一番多いのが「魚介類」、次いでコロッケや餃子などの調理された「惣菜類」、「肉類とその加工品」が挙げられます(※)。原因物質は鶏肉に付着する「カンピロバクター」、さばやあじなどにいる寄生虫「アニサキス」、カキなどに付着する「ノロウイルス」が多く、特に肉や魚を扱うときに注意が必要なことが分かります。「調理の前に手を洗う」「肉や魚を切ったまな板は都度洗う」「中心までよく火を通す」などは、常識的に知られている対策ですが、子育てに忙しい日々の中では案外なおざりになってしまうので、最低限心がけておきたいことを紹介しておきます。
・手や調理器具を石けんや洗剤でよく洗う
・肉や魚のドリップ(汁)は捨ててから保存
・調理時に肉や魚、卵は他の食材と触れないようにする
・生ものは最後に購入し、保冷剤や氷をつけて持ち帰る
・冷凍品は自然解凍ではなく電子レンジや流水で解凍する
・つくったものは長時間放置せず、残りは基本的に「冷凍」保存
・火を通すときや温め直すときは中心部を「75℃以上1分以上」加熱
・雑菌の多いスポンジ、台ふきんはこまめに煮沸消毒する
食中毒だけではなく、プール熱、ヘルパンギーナ、手足口病などなどの“感染症”も夏の大敵…わが家の子どもたちは保育園に通っていますが、いつ体調を崩すか!?日々ヒヤヒヤしながら過ごしています(苦笑)。特に1〜2歳の頃は急に発熱したり、長らく下痢したり…上の子から下の子へ、下の子から上の子へ、さらには親にもうつり、うつしうつされのスパイラルにハマり気づいたら夏が終わっていた…なんて年もありました。そんな体調不良時のバロメーターのひとつが「食欲」。普段食べるおにぎりやパンを口にしなかったり、好物やおやつですら食べない様子が見られたら、それは体調不良のサイン。無理に食べさせず水分補給を心がけてください。
高熱のときは食べものを受けつけないことが多いので、まずは水分補給を。「子どもが飲みやすいか」を第一に考えて与えます。イオン飲料やジュースは糖分過剰になりすぎるので成分をチェックし、気になるときは薄めるか乳幼児向け製品を選んでください。喉が痛いときや体が熱いときは少し氷を入れると飲みやすくなります。食事も水分が多いおかゆやスープを少量ずつからはじめ、食べられるものを食べさせるようにしましょう。食材は小さく切り柔らかくなるように加熱を。卵入りの雑炊や野菜煮込みうどんなどがおすすめです。
胃腸を刺激しないよう、すぐに水分や食べものを与えないようにしましょう。おう吐のときは30分〜1時間程度空け、落ち着いてから水分補給を。柑橘系など酸味のあるジュースは吐き気を誘発し、牛乳は消化が悪いのでNGです。下痢・おう吐したときは体内の栄養が失われ、胃腸が弱っているので「栄養素を補給できるもの」「消化がよいもの」を与えます。経口補水液やみそ汁・スープの上澄み、茶碗蒸しなどは水分と一緒に栄養補給もできるのでおすすめ。油脂分の多い揚げもの、牛乳・乳製品、海藻やきのこなど消化しにくい食材は避けてください。
細菌やウイルス、有害な物質が付着した食品を食べることによって下痢やおう吐、腹痛、発熱などの症状が出ること。夏は細菌、冬はウイルスによる食中毒が多く、抵抗力が弱い幼児は重症化する可能性もあるため、特に注意が必要。
次回は7月25日(木)公開予定です。